On bullshit

読書感想文、社会評論、その他を自分勝手に。

思ったこと 感じたことを そのままに

本、読み終えた。ヴィリエ・ド・リラダン『未來のイヴ』

 

未来のイヴ (創元ライブラリ)

未来のイヴ (創元ライブラリ)

 

 

本書目次
第一巻 エディソン氏
第二巻 契約
第三巻 地下の楽園
第四巻 秘密
第五感 ハダリ
第六巻 かくして≪幻≫は生まれぬ
 
本記事目次
表現の難しさが良い
本書のあらすじ
理想と現実の距離
 

本、読み終えた。ロジェ=アンリ・ゲラン『トイレの文化史』

 

トイレの文化史

トイレの文化史

 

 

*私が読んだのはちくま学芸文庫(ISBN4-480-08239-5)*1

本書目次や引用個所の記載もそれに倣います。

 

本書目次

音と匂い

1 ≪水にご用心!≫

2 穴あき椅子、溲瓶、おまる

3 最後の≪微風≫が吹く頃に

4 公衆衛生監督局の起源

5 下水道なしに街路なし

6 便座上の規律

7 自由を抹殺する法

8 パリの公衆便所

9 ゆっくりと、人目につかぬよう……

結語

 

本記事目次

汚いってヤバい

切実な催し

移ろいゆくうんこ

うんこは片付けろ

 

*1:

Amazon CAPTCHA

のものです。

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本、読み終えた。ブライアン・クリスチャン『機械より人間らしくなれるか?』

 「実はこのブログはAIが書いていたんですよ!」

「ナ、ナンダッテー⁉」

んなわけないです。(´Д`)

 

文庫 機械より人間らしくなれるか? (草思社文庫)

文庫 機械より人間らしくなれるか? (草思社文庫)

 

 

本書目次

第1章 “最も人間らしい人間”賞への挑戦
第2章 ボットにアイデンティティはあるか
第3章 「自分」とは魂のこと?
第4章 ロボットは人間の仕事をどう奪う?
第5章 定跡が人をボットにする?
第6章 エキスパートは人間らしくない?
第7章 言葉を発する一瞬のタイミング
第8章 会話を盛り上げる理論と実践
第9章 人間は相手の影響を受けずにいられない
第10章 独創性を定量化する方法
第11章 最も人間らしい人間

エピローグ ガラス食器棚の得も言われぬ美しさ

 

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本、読み終えた。永沢光雄『風俗の人たち』

 

風俗の人たち (ちくま文庫)

風俗の人たち (ちくま文庫)

 

 

本書目次
テレクラ 1990/4
SMクラブ 日暮里 1990/5
美療マッサージ 池袋 1990/6
本番ストリップ 1990/7
女装プレイ 池袋・秋葉原 1990/8
ダッチワイフ 上野 1990/10
ホテトル 渋谷 1990/11
ニューハーフ 入谷 1990/12
幼児プレイ 六本木 1991/1
吉原ソープ街 1991/2
性感マッサージ 池袋 1991/3
シリコンボール 本郷 1991/6
ボンデージ 四谷 1991/7
ピンサロ 新宿 1991/8
ホストクラブ 梅田 1991/9
売春ストリート 新大久保 1991/10
レズバー 新宿二丁目・六本木 1991/11
まな板ショー 1991/12
チョンノマ 黄金町 1992/2
女装マニア 1992/4
ゲイバー 新宿二丁目 1992/6
AV女優 1992/7
個室割烹 西川口 1992/8
SMクラブ 恵比寿 1992/9
性風俗ライター 1992/10
イメクラ 目黒 1992/12
ゲイ・タウン 新宿二丁目 1993/1
歌舞伎町1 1993/2
歌舞伎町2 1993/2
歌舞伎町31993/4
変態クラブ 新宿二丁目 1993/5
個室割烹 西川口 1993/6
投稿写真 1993/7
ブルセラ・ショップ 新宿西口 1993/8
女子高生 1993/9
ふんどしパブ 池袋 1993/12
お見合いパブ 新宿東口 1994/1
SMクラブ 池袋 1994/2
SMクラブ 五反田 1994/3
個室割烹 西川口 1994/4
ストリップ 上野 1994/5
枕芸者 石和温泉 1994/7
ピンク映画 新宿 1994/8
SM女王様 1994/9
SMショー 1994/10
外人ホテトル 1994/12
AVとストリップ 花巻ほか 1995/1
カップル喫茶 御徒町 1995/2
ビデオ相互鑑賞会 大塚 1995/3
ホモ映画 歌舞伎町 1995/4
レズバー 新宿二丁目 1995/6
ボックスサロン 西川口 1995/7
ピンサロ 大塚 1995/8
デートクラブ 1995/9
渋谷道頓堀劇場 1995/12
新宿二丁目の病院 1996/1
素股プレイ 歌舞伎町 1996/2
女子高生売春 渋谷 1996/3
立ち飲み屋 池袋 1996/4
のぞき部屋 歌舞伎町 1996/6
韓国式エステ 新宿 1996/7
グランドキャバレー 池袋 1996/8
雨は降るがままにせよ ソープ嬢 吉原 1997/5
 
本記事目次
ネオンぼんやり
一体何があるんだ?
変態は隣にいると思う
誰でもエロに触れるから
文章は病みつき系
 
※以下で引用される個所は本書からの引用であり、決して私が創造して書いた文章ではありません。念のために断っておきますよ(笑)
 

ネオンぼんやり

 東京は五反田のカプセルホテルに泊まった時のこと。
すぐ隣は既に風俗のお店でした。ハゲでメガネをかけたスーツのおっさんが私に「かわいい子いるよ!」なんて声をかけてきました。風俗の勧誘なんて初めて受けたので、律儀に首を横に振ると「そんなこと言わずにさぁ!ねぇ!」なんて言ってきました。
 私はそのおっさんから目をそらすように道の反対側を見ると、ちょうどスーツ姿の二人組が客引きのおっさんに導かれるように階段を降りていくところでした。
 愛想の悪いフロントがいるホテルに入って汗を流し、廊下の窓から見下ろすとネオンがそこかしこで地上を照らしているのが見えました。7年くらい前かな。
 その時はその時で自分の人生に悩んでいる時でした。でも今思えば客引き、ボーイ、商品としての女性などがあの街の建物の中にひしめいて世界を形作っていたと思うと、随分別世界を見てしまったなぁと思います。
 
 

一体何があるんだ?

 階段を降りた先には何があるのだろう。私はカプセルホテルの個室内の無料のエッチなチャンネルを回してみました。クンズホグレツしてました。
本書はそれ以上の風俗の世界を見せてくれます。脱帽です。
 なんにも知らないという方にとってはキツイとおもいます。ドギツイ。なぜならあらゆるプレイでてんこ盛りだから。グロはない。
 本書は、
『クラッシュ』(コアマガジン)の1990年5月号から1996年11月号までに69回連載したうち66回を収録。
「雨は降るがままにせよ」
別冊宝島・第325号(ザ・風俗嬢)』(1997年8月、宝島社)に掲載。
 
本書巻末より抜粋
されたものです。今こんな感じのルポを読んでもらおうと思ってもたぶん無理なんじゃないかなって思います。良くも悪くもあからさまなので。
 試しに書いてみましょうか?それで気持ち悪くなったり展開が想像できないというピュアな方は読まないほうがいいです。
 
  • 2週間キウイだけを食べた20代の女性が100万円で買われる。(・・?)
 
……?????????(思考停止)
やはりね~本書は読み手を絞ると思います。単なるエロではありませんから。でもこれで「お!面白そうじゃねえか!」って思ったら本文500ページ越えの本書を手に取りましょう。
    追加で私が面白かった、興味深いと思った個所を改変しつつも抜き出してみましょう。改変とはいえ引用ですよ引用(念のため)
 
  • 「今の男性はあまりにも疲れすぎている」(p54)
  • そういうのって、外国じゃ学校の先生や親が教えてくれるんですよ。でも、日本の性教育はまだオシベとメシベのことくらいで、そこまでは教えてくれないでしょ。だからわたしが教えてあげるの。(p65)
  • 私は思うんだけど、幼児プレイに限らずSMクラブって一種の精神病院だと思うの。(p82)
  • 「変質者じゃないけど変態だよ。変態としてのプライドがあるよ」(p173)
  • 「誰だって隠してる部分ってあるじゃないですか。それが普通の人間でしょう。だから嫌悪感なんか覚えませんよ。むしろいとおしくなります」(p202)
  • 「あんた、ホモのマゾのくせに、なんで人にローソク垂らしてんのよ」(p248)
  • 「女子高生のものなら、教科書でも鼻クソでも商品になりますよ」(p270)
  • ただ、今の少年少女は、性というフィルターを通して大人たちを軽蔑していることだけは、確かだと思う。(p279)
  • 「ああ、それはね、年明けに来たお客さんにお尻の穴に筆を入れて書初めをさせたの」(p299)
  • 「M女ってラクだもん。お客さんに言われた通りに動けばいいんだから」(p303)
  • 上映予定の『義経伝説』とか『指まがりのダンディ』とかいった作品の、若い男たちが裸で写っているポスターが貼ってあり、いやがうえにも緊張は高まる。(p397)
  • 「お前な、こんな所で男なんかと何くっちゃべってんだよ!!」(p402)
  • 世のオジサンたち、十代の女の子を買うのはやめなさい。彼女らはあなたたちを心の底から馬鹿にしています。(p463)
 
どうでしょう。風俗ってやはり怪しいイメージですけれど、適度に社会のガス抜きにも一役買ってるんだろうなという思いが強まります。
 風俗に気軽に利用する若者(女子高生がお金稼ぎでというのも含めて)を引き止めるには、このようなことを包み隠さず話すことなのではないかって思いました。本書では時々生い立ちが語られます。決してバカとか不幸とかだけが理由で風俗してるんじゃないという事実は、考えに幅をもたせてくれます。
 
 

変態は隣にいると思う

 友達の家にお泊まりに行った時のことです。お互い高校生。ベットでうつ伏せになりながら本を読んでいたら友達が私の上に重なるように乗ってきたことがあります。いくら密着していたとしてもあの時お尻に感じたアレな感触は忘れません。その時は何も知識がなかったし、友達の悪ふざけ程度にしか思ってませんでした。でもアレはアレな感触でした。基本的に良い人です。今は何してるかわかりませんけどね。
 本書を読んで、より彼を嫌うなんてことにはなりませんでした。理解が深まったというのが正直なところ。
 
 大学時代に知り合った人は高校生の時に二人にコクられたと言ってました。男が男にね。その人は筋トレしててかつ丸い体型なんです。ネットで「レスリングシリーズ
(ホモで一部の方に人気)」を知った私からすれば「なるほどな?」と一人納得してました。
 そのことを話すと「(ネタは知ってるけど)冗談じゃねぇよ本当に…。友達やと思ってたのに付き合ってくれとかマジキツイしよ〜」とタオルで汗を拭ってました。本書でホモは汗っかきが多いことが書かれています。なるほどな?(笑)
ちなみに友人関係は細々と続いたらしいです。
 
 

誰でもエロに触れるから

 友達と一緒にスカートめくりをしたり、エッチなビデオの真似事を男同士でやってゲラゲラ笑っていた小学時代。
 なのに一人の女の子に二人の男が告白するという時には皆が真摯に応援する。二人とも友達でいようという返事が女の子からきた時にはその二人は握手してたっけ。
 通学経路にエッチな本が落ちていたらできるだけ多くのページを読めるように男の子は職人になる。三十冊はためていたエッチな本がある日忽然と消えていたのを見た時はみんな口数少なくなったな。
 やがて中学生になるとエッチな物事に関する集団性は薄くなり、一対一で女性と向き合うようになっていく。独り立ちである。
 クラスの大人しい男子も頭の中では何かしらの妄想があったはずだ。私たちは性から遠ざかることができない。
 SとかMとか、タチとかネコとかの話じゃない。もう少し性に関心を持たないといけないのではないだろうか。文学における女性の描き方は美しさがある。それではいけないだろうか。
 なんか良いこと言ってるように思えますが、結局はエッチな話なんですよね……。
 
 

文章は病みつき系

 エッチな内容を書いていても、著者の文体は非常に軽いです。しゃれっ気なし。その中にきらりと光るちょっとしたギャグ。これがいい。面白い。いくつかは「プッ」と吹き出すものがあります。こういうルポもいいですね。たまにはね。たまだけにね。へへ。

本、読み終えた。マーク・トウェイン『王子と乞食』

 

王子と乞食 (岩波文庫 赤 311-2)

王子と乞食 (岩波文庫 赤 311-2)

 

 

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