夢、見た。『ミラーニューロン』
2人の赤ん坊を研究している男性がいる。
『天使と悪魔』シリーズのラングドン教授だった。彼は12畳ほどしかない会社の事務所みたいなところに脳波測定器とか子どものオモチャを置いていた。カーペットは白色と灰色が交互に敷かれていた。デスクも会社にあるような無機質さだ。子どものオモチャが目立つ。
助手は成人女性と男子学生2人を囲っていた。
教授は赤ん坊が何か選択したと思われるタイミングで自分の脳波を記録していた。頭にシール貼り付けるやつだ。
2人目の赤ん坊は私には懐かなかった。
「だっこ」
「くるま」
「だっこ」
「くるま」
2つの言葉を話し尽くすと途端にぐずりだすのだ。
教授はその赤ん坊に身長150cmほどの精巧に造られた成人女性の人形を渡した。黒髪ロングストレートで、目は琥珀色で鈍く輝いている。
赤ん坊はそれを見つけると階段付きベッドの下のカーテンをめくり、収納スペースのところに「ここぉ〜」と言いながら置いたのである。しっかりとソファーに座らせている。
「あぁー素晴らしいぞ」と言いながら自分の脳波を記録していた。教授は自身のミラーニューロンが成人の行動を見た時と、赤子の場合とで違いがあるかどうかを観察していたのである。成人女性と赤ん坊を見る目は一切が同じなのか?と。
一通りの実験が終わると、若い助手2人は退室して階段を降りていった。するとそのタイミングで窓から空き缶が放り込まれた。中からは白い煙がシューっと吹き出していた。
「催涙ガスだ!」
私が窓から身を乗り出すと7階ほどの高さだった。反対側にも同じような建物があった。学校か病院のように見えた。右へ目を移すと配水管が壁に付いていた。なんとか飛び移って下へ降りていった。
後の者が続いたのかはわからなかった。