アトピーの情報共有『アトピーの新薬「ネモリズマブ」 効果確認』~朝日新聞から~
2017年3月3日、朝日新聞朝刊より。
簡単に書きます。詳しくは他サイトへ。
記事目次
概要
ネモリズマブとは
インターロイキン31とは
安眠は至福
概要
また希望があふれるニュースが入ってきました。
記事によれば、中外製薬が開発した『ネモリズマブ』を、日米欧の患者に注射するとかゆみが軽減するのを確認した。副産物として、かゆみによって引き起こされる睡眠時間の中断が引き伸ばされたというのです。
ネモリズマブとは
ネモリズマブという薬自体は去年からネット上でも言及されていて、今回は実証研究が患者で行われて、効果を確認したというものです。
ではネモリズマブとは何なのか。それは簡単に言ってしまえばかゆみを引き起こすたんぱく質(記事中においてはインターロイキン31)に対して、生物学的に作用することでその働きを阻害・抑制してくれるものなのです。
インターロイキン31とは
かゆみを引き起こす原因物質をときにサイトカインと呼びます。サイトカインとは免疫細胞から分泌されるたんぱく質のことで、インターロイキンはその代表として表記されることもあります。今までに数十種類が発見されています。
サイトカインは本来、病原体の不活化やその機能を抑制する重要な役割を担っています。アトピーの場合、この免疫系のバランスが崩壊していると言えます。サイトカインは過剰に機能するとサイトカインストームにかかり、最悪死亡することもあります。
安眠は至福
実は今、アトピーで期待されているのはネモリズマブよりも前に開発された『デュピルマブ』もあります。ただターゲットとなるインターロイシン(IL)が
- ネモリズマブはIL-31RA
- デュピルマブはIL-4RA
と違っていますので、どれが自分に合うかは未知、といったところ。
そして副作用もあります。
- デュピルマブは結膜炎
- ネモリズマブは鼻咽頭炎
が報告されているようで。完全にノーダメージということはなさそうです。また新薬として世に出たとしても継続使用すればかなり高価になるのではないかと。
ですがアトピーにとって一番いやなのはかゆみ!これを抑えてくれるだけで相当な希望です。この記事を書いた前の夜もかゆみで起きてしまいましたからね。そういう時期が地味にストレス。絶対これは助かる。注射で済むというのも魅力的。
私はステロイドの誤使用・過剰使用や、花粉症の時期、かくのを我慢する、この3つを注意すれば重症にはなりません。それでも薬は必要ですし、外用薬も常備しないと不安です。その労力が注射1本で消し飛ぶかもしれない。
こういう新薬に積極的にかかわって、アトピー治療が進歩することを祈ります。アトピーは人生を糜爛(びらん)させる。