On bullshit

読書感想文、社会評論、その他を自分勝手に。

思ったこと 感じたことを そのままに

今日、退職願を提出してきました。

    害虫駆除の仕事を始めてもう少しで3ヶ月。試用期間も終わり、本格的に会社に貢献していく時期に退職願を提出してきました。

 

    原因は完全に私です。社員の方々はみんな優しく、良い人たちです。まさに中小企業の良さを体現しているような集まりです。だから疑いようがないんです。
    害虫駆除は車の移動がとても多いです。細い道も行きます。両側ギリギリの道もありました。
 
 

事故率が高過ぎる

この3ヶ月で何回傷をつけたでしょう。TOYOTA車サクシードを両側共に傷物にしてしまいました。その他の会社の車両にも傷をつけてしまいました。唯一の救いはまだ物損や人や他車を巻き込んだ事故を起こしていないことです。
 
 

運転に集中できない

いつの間にか考え事(次の現場のことなど)をしてしまい、運転中の視界が見えなくなって、考えていることのイメージしか映らなくなってしまいます。直そうと、音楽をかけたり、運転中の視界に入ってきた物を言うなりして視界が飛ぶことを避けようとしてきたのですが、あまり改善はされませんでした。それどころか、あまりに視界に集中するあまり、前の車両を気にすると歩行者などの、それ以外の物が視界に入らなくなってしまい、むしろ危険でした。
 
 

おまけに夜は道が見えない

暗い雨天時、対向車が灯すヘッドライトのそばを走れば、おそらく道の上を走っているだろうという有様です。雪が積もったら目も当てられない悲惨な結果は明らかです。
つまり、仕事以前の問題です
 
 

次に仕事です

まず薬の希釈計算などがすぐにできません。希釈計算専用のアプリを入れて凌いでいましたが、どうしても遅くなってしまいますし、残量がある場合はお手上げの状態でした。
 
 

当然トラップの位置を把握しなければなりませんが、それが覚えられません

メモをしても忘れますし、メモしたこと自体を忘れますし、メモ自体をなくすことも多くあります。
 
 

物との距離感がつかめません

薬を散布する機械を持ちながら作業するわけですが、その機械をよく物や自分の体にぶつけます。もちろんそれで壊れれば弁償して、会社が菓子折りを持って謝罪しに行くのです。幸い私は顧客の何かを破損させたことはありませんが、なりかけたことは多々あります。
 
 

人との距離感もつかめません

たとえ相手が初対面の人でも、話をちゃんと聞こう、理解しようとして近づき過ぎてしまいます。口のすぐ近くに耳を寄せるイメージです。注意されて距離を置くのですが、そうすると様々な音や景色が視界に入るため、話を集中して聞くことができません。
 
 

人の話を聞けません

怒られている時も褒められている時も普通の会話の時も、集中して聞くことができません。視界に映る物が気になったり、その人の顔の方が気になったりして、話がよく入ってきません。よく「聞いてる?」とか「こっちを見て話せ」と言われます。しかしちゃんと見て聞くと余計話がわからなくなります。ちゃんと聞こうとすると、耳だけで聞いて頭の中で文章化させたほうがいいんです。
    また、急に用件だけを言われると何を言ったか全く理解できません。
「あの〜〜さん」などのワンクッションがないとわかりません。
 
 

よく物を忘れる

メモもそうですが、その他の道具もよく忘れてしまいます。ボールペンはかなりなくしました。仕事に必要な物を忘れて来てしまうこともありました。誰でもあることだとは思いますが、怒らせたり呆れられるほどになることはないと思います。
 
 

正直に言ってしまう

うまく仕事をするには遠回しに言う説得が必要だと思いました。たとえば相手が「なんでこんなに害虫が多いの?」と質問した場合、他の方はうまく説明します。しかし私の場合は「ここと、ここと、そこと、あそこが滅茶苦茶汚いからです」と言ってしまいます。遠回しに言ったり、柔らかく言ったりすることができません。だからと言って、メモを見ながらの会話なんて信頼してもらえませんし。
 
 
    これ以上ぶつけたら諦めよう。
これ以上何かしでかしたら辞めよう。
踏ん張って頑張るのも限度がある。
小企業で無駄な損害は社員の生活に直結させてしまう。
甘えるなんてことはできない。
それ以前に他人の物や命が危ない。
 
    私は入社後すぐに運転技術の低さを自覚して、帰りの途中にある駐車場などで練習してきました。
それでも変な自信がつくだけで、実力は何も変わっていませんでしたが。
試用期間中精一杯やったつもりでしたが、また起こしてしまいました。
しかもそれは先輩の誘導ありでのことです。
段々とパニックになっていき、誘導の言葉や身振り手振りが理解できなくなっていました。
もうどうしようもない。
 
    その日の内に退職願を書き、次の日の終業後に運転技術の未熟を理由に提出しました。
別に差して引き止められるようなこともなく、「無理やりやらせて事故を起こさせるわけにもいかない」と至極ごもっともな御言葉を聞きました。
「車を使うのが当然の仕事だから」とも。
ノックをしてから退出するまで、2分もかからなかったと思います。
    すぐに退社して1時間ほどの帰り道。
私は退職願を提出した時に聞いたことを反芻していました。
その時の「車を使うのが当然の仕事だから」という言葉を繰り返していて、次第にハッキリと浮かんできた言葉があります。
私は仕事以前の問題。私は仕事以前の問題。
8年ぶり位に大粒の涙があふれてきました。
私は仕事以前の問題で職を辞するのだと思うと、どうにもなりませんでした。
コンビニに寄って泣き止むのを待ちました。
 
    次はもう少し慎重に、自分の身の程をわきまえた職を探そうと思います。