博物館明治村。行ってきた感想③
続き!↓
今回は
金沢監獄中央看守所・監房
金沢監獄の正門
金沢監獄中央看守所・監房
あまり監獄とは思えないのは木造だから?
建物の右上に突き出ているのは見張り櫓。左が監房。
手紙を書くところ。空いているところに入れる。
看守所中央にある監視室。これは網走監獄で使われていたもの。
脱走すればすぐにわかる。
当時は北海道開拓の時代。
網走監獄の囚人たちも労働力として動員され多数の死者が出ました。
そのため刑に服することと労働という二重刑罰が問題になりました。
これが「タコ部屋労働」の起源になっています。
1日15時間以上の労働、粗末な食事、リンチと虐待。
低賃金にもかかわらずそれすらも法外な食事代に消える。
運よく脱走できても目前に広がるのは前人未到の地、蝦夷地。
GHQの指示によってようやく減少に転じます。
また監視室を見て思い出しました。
パノプティコンだ……。
パノプティコンとはイギリスの哲学者ジェレミー・ベンサムが考えた全展望監視システムのこと。
18~19世紀のイギリスの刑務所の劣悪な環境を見て考え付いたものです。
下の画像を見てください。↓
金沢監獄中央看守所・監房の案内板。
左下に見取り図があります。
この中で放射状に伸びているところがあります。
細長いところが監房で、中心円が監視室です。
つまり監視室にいさえすれば、少人数で監視ができます。
ベンサムは劣悪な環境は人員不足が原因だと思い、このような構想に至りました。
網走監獄はこのようなパノプティコン・モデルをうかがい知ることができます。
ミシェル・フーコーは『監獄の誕生』において、このようなシステムは少数の権力者が多数の個人を監視する「管理社会」の起源とみなしました。
では金沢監獄の監房を見てみましょう。
廊下が広い。意外です。
開いているところを見ると、壁がすごく厚いことがわかります。
扉の上にあるのは換気用の窓。
何人か囚人がいます。
左から朝、昼、晩の食卓。
奥にあるのは……
簡易便所と水道。
監房内の窓。手が届く。
内側は木枠ですが、外側は鉄格子。
扉越しに監房内を見る。
布団を広げたらもういっぱいです。
感覚としては2~3畳くらい。
天井
ちなみに金沢監獄の監房は2つほど自由に入ることができ、囚人気分になれます。
恨みつらみが溜まっている人は誰か中に入れましょう(笑)
最後に
金沢監獄の正門
左右に監視室、鉄格子の窓と門があるものの綺麗な門。
門の上や窓の上がアーチ形になっており、西洋建築を取りいれていることがわかります。
日本の法律がイギリス、フランス、ドイツなどを参考にしていることは有名ですが、監獄などにも影響がみられるというのは面白いです。
今回はこれにて。
次回は派出所と監房です。
次回の監房の方が日本っぽいのではないでしょうか?
ではでは。