On bullshit

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本、読み終えた。T・バトラー=ボードン『世界の心理学 50の名著』

 

世界の心理学50の名著 エッセンスを学ぶ

世界の心理学50の名著 エッセンスを学ぶ

 

 

 

 

本書目次

本書の構成

はじめに

01『人間知の心理学』アドラー

02『暴力からの逃れるための15章』ベッカー

03『人生ゲーム入門ー人間関係の心理学』バーン

04『対人能力』ボルトン

05『水平思考の学習ー創造性のためのテキスト・ブック』デボノ

06『自己評価の心理学』ブランデン

07『人間のタイプと適正』マイヤーズ

08『女性の脳』ブリゼンディン

09『嫌な気分よ、さようなら』バーンズ

10『影響力の武器ーなぜ、人は動かされるのか』チャルディーニ

11『創造性ーフローと発見・発明の心理学』チクセントミハイ

12『論理療法』エリス / ハーパー

13『私の声はあなたのともに』M・エリクソン

14『青年ルター』E・エリクソン

15『人格の次元』アイゼンク

16『ブラックメール―他人に心をあやつられない方法』フォワード

17『意味への意思』フランクル

18『自我と防衛機能』A・フロイト

19『夢判断』S・フロイト

20『心の構成』ガードナー

21『幸せはいつもちょっと先にある』ギルバート

22『第1感ー「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』グラッドウェル

23『ビジネスEQ』ゴールマン

24『愛する二人別れる二人』ゴットマン

25『愛の性質』ハーロウ

26『幸福になる関係、壊れていく関係』ハリス

27『大衆運動』ホッファー

28『心の葛藤』ホーナイ

29『心理学の根本問題』ジェームズ

30『元型論ー無意識の構造』ユング

31『人間女性における性行動』キンゼイ

32『羨望と感謝』クライン

33『引き裂かれた自己』レイン

34『人間性の最高価値』マズロー

35『服従の心理ーアイヒマン実験ミルグラム

36『脳の性差ー男と女の本当に違い』モア / ジェセル

37『大脳半球の働きについてー条件反射学』パブロフ

38『ゲシュタルト療法』パールズ

39『児童の自己中心性』ピアジェ

40『人間の本性を考えるー心は「空白の石板」か』ピンカー

41『脳の中の幽霊』ラマチャンドラン

42『ロジャーズが語る自己実現の道』ロジャーズ

43『妻を帽子と間違えた男』サックス

44『なぜ選ぶたびに後悔するのか』シュワルツ

45『世界で一つだけの幸せ』セリグマン

46『パッセージー人生の危機』シーヒィ

47『自由への挑戦』スキナー

48『言いにくいことをうまく伝える会話術』ストーン / 他

49『見える暗闇ー狂気についての回想』スタイロン

50『毎日を気分よく過ごすために』セイヤー

 

本記事目次

歴史本ではない

誰もが一つは思い当たる

やっぱり5分は言い過ぎ

 

歴史本ではない

 

 心理学というとついつい怪しいものを想像してしまいますが、この本で挙げられている名著のタイトルを見る限り、そんなことは毛頭ないということが分かると思います。

実際読んでみると神経学や脳科学などを引き合いに出すものも多くあり、現代的な心理学が大半を占めています。だからこそそのどれもが、自身とその身の回りに役立つものであることがすぐにわかります。

 事実、「はじめに」において本書の狙いは興味をそそる問題に焦点を当てることであると示し、そうすることで自覚が生じ、人間性への理解が深まり、人間関係が改善されて効果的に行動できるようになると書かれています。この本は自分で自分の現実を変えるためのパンフレットのようなものです。実際に活用しようと思えば原著を手に取る必要があるということです。なので心理「学」だからといって変に身構える必要はありません。

 

誰もが一つは思い当たる

 

 読んでいくとそのどれもが、自分に関係があると思うものばかりです。心理学だから当然か、と思うかもしれませんがそれは著者が上手く原著から抜き出しているからこそです。自分に突き刺さる指摘も多かったりしますが、逆に誰かに指摘されると力が湧いてくるものです。

例えばマズローのいうヨナ・コンプレックス。

ヨナ・コンプレックスとは、「自己の偉大さを恐れる心」、あるいは運命や転職からの逃避を意味する。p287

マズローは生徒たちに向かって「きみたちは自分の能力や可能性から逃避しようとしている」とよく言っていたそうです。これは決してうぬぼれているわけではなく、可能性があっても動きたくないという怠惰でもありません。人間、選択肢が多すぎると混乱します。かといって選択肢がたった1つでも混乱してしまいます。注目を浴びることを恐れないようにしたいです。

 ところで哲学同様、心理学も原著に当たる場合難解な場合がありますが、著者の手によって解きほぐされており理解が容易になっています。それも納得できる要因になっています。 

 

やっぱり5分は言い過ぎ

 この著者は『世界の〇〇 50の名著』というシリーズを刊行されており、どれも読みたいと思ってるのですが、気になっていることが一つ。

 

onbullshit.hatenablog.com

 

『世界の哲学 50の名著』でも書いたことですが、表紙にシールで「必読書の要点が5分でわかる!」と貼ってあるものがあるんですよね。いや、5分では無理です。しっかりと読んだら余裕を見て10分は必要です。