今、害虫駆除の仕事してます。
タイトル通りで、害虫駆除の仕事をしています。そろそろ2か月が過ぎようとしています。短い期間ですが、具体的な仕事内容と感想を書いてみたいと思います。
本来なら私のもう一つのブログ「これより、自然界に入る!」にアップするべきなんですが、多くの人に知ってほしいという思いで、こちらにアップします。
本記事目次
経緯ー少しでも、好きな部分があるものを仕事にー
主な仕事は3つ
害虫駆除の現場
私がやりたかったこと
私が考える害虫駆除適性検査チェック項目
経緯ー少しでも、好きな部分があるものを仕事にー
私は就職に困っていました。大学卒業後は世間的に言えばフリーターでしたが、ほぼニートのようなものでした。いろいろな仕事を経験できたは良いものの、やはり負い目を感じていました。
就活はしていたものの「会社や事業に興味はあるが、実際に自分がやる日々の仕事まで降ろしてくると、どうも興味関心が湧かない」という状態でした(ただのワガママ)
私は就活の仕方が未だにわからないのです。
そこで「自分が興味のあることを日々の業務で行っているところにしよう」と思いました。私が好きなのは、読書・勉強・登山・コケ植物・熱帯魚淡水魚・昆虫など。どれも相当な努力を重ねないとなれない職業しかありません。なら、下位から始めるしかありません。そこで行きついたのが害虫駆除でした。
当然実際の業務において知らなかったこともあり「こんなはずではなかった!」
という不満もありますが「これだ!こういうスキルを学びたかったんだ!」ということもあります。現在の満足度は50%ほどでしょうか。
主な仕事は3つ
仕事は大別して、駆除・防除・検査です。
・駆除
ゴキブリなどを含む衛生害虫の駆除になります。トラップ(業務用のホイホイなど)に捕まるゴキブリが多い、あるいはよく見かけるなどの情報があった場合に業務用薬品を用いて駆除をします。
基本的なステップとしては、以下の3ステップをサイクルします。
①設置していたトラップを確認する。
どこでいつ引っかかったかを考慮し、今後の処置を考えます。
②散布
必要なら薬剤の散布を行います。
③改善案の提供
どこそこの穴を埋める、掃除してもらうなどの具体的な改善案を提供します。
・防除
衛生害虫が施設内に出るのが仕方ないところは、できるだけ出ないように効果が持続する薬剤を散布します。それ以外は駆除の3ステップと変わりません。ちなみに市販品はあまり効果がないというのが共通理解になっています。
・検査
異物混入があった場合や、トラップを回収してどういう昆虫が多いか少ないか報告するために顕微鏡を使って対象を同定します。同定とは動植物を学名まで突き止めることですが、業務上は「科」まで突き止められれば一人前です。ただ、当然標本のようにキレイになっているものはありません。「同定お願いします」と送られてきても潰れているものもあり、なかなか難しいです。おまけに劣化して黒ずんでしまうと別種のように見えてしまいます。
しかしよく見る昆虫というのもあり、経験を積めばパッと見でわかるようになります。私はまだ修行中です。
もうひとつある検査はOー157などの病原菌を検出するための化学検査です。
検査は会社によって多種多様のようです。
害虫駆除の現場
さて仕事とはいうものの、私は当初現場はどういうところなの?という疑問がありました。他の方も気になるところだと思いますので記しておきます。
・飲食店
いるところにはいます。理由は2つ。
①野外から隙間を縫って入ってくるから
たとえばクロゴキブリは外から中に入ってくるものなので、夏は特に多くなります。
②※察してほしいと思います。
・倉庫
ネズミは歯を整えるために食べられない物でもかじる習性があります。ネズミのかじった跡のある段ボールが店頭に並ぶのを見るなんて嫌ですよね。商品を扱う倉庫でそんなことをされたらたまりません。
あるいは法律上、穀物を補完する倉庫は保管の仕方が決められています。たとえば15℃以下に保つ、ネズミ返しを設置するなどです。ネズミの他にもコクゾウムシ、コクヌストモドキ、ノシメマダラメイガなども穀物を加害します。
意外と神経質なのが倉庫なのです。
・多種多様な施設
本当に多種多様で例を挙げることはできません。とにかく不快な害虫が出ては業務に支障が生じるおそれのある施設全般です。
私がやりたかったこと
害虫駆除の仕事と現場をお話ししました。しかし最初に書いた通り、やりたかったことがありました。それは具体的に言えば、
「動植物の名前・習性を経験的に知りたい。見てすぐにパッと名前が言えるようになりたい」
ということです。なので同定検査が一番やりたいことです。あるいは検査業務、報告書、資料の作成です。少しずつやらせてもらえるようになってきましたが、まだ一人で任せられるレベルではありません。毎日毎日経験値を積まないと、同定能力は衰えると言われていますので日々勉強の状態です。私のように『(就職において)動植物が好きだけど、大学は文系だったから諦めるしかない』という人は調べてみるといいかもしれません。
では害虫駆除の将来性は?ということになるわけですが、今いる会社から見た将来性は……わかりません。個人的には施設管理や食品関連の法律、あるいは世界的な風潮が厳しくならないと需要は伸びないと思います。企業努力が叫ばれていますが、情報開示はほとんどなされていてあまり手の打つところがありません。調べればたくさん出てきますからね。「(市販の)トラップもあるし、スプレーもあるし、忌避剤もある。おまけに業務外の害虫駆除に予算使ってる場合じゃない」というイメージがあると思います。需要があるものの、契約は切られやすい仕事です。仕事をして、仕事をするための対象が消えてしまえば、仕事できなくなるわけですから。とはいえ、新しい施設だけで経済が動いているわけではありませんので需要は一定数あると言って良いと思います。
私が考える害虫駆除適性検査チェック項目
- オフィスより日々変わる現場で仕事するほうが気が楽だと思う
- 一日中車の運転をしてもいい(忙しい日は一日に何件も回ります)
- 車の運転が上手い(狭い道も行く)
- 大量のゴキブリを見てもビビらない(体をはう可能性)
- 大量のハチに囲まれてもビビらない(防護服に刺すのが見える)
- 体がある程度細い(シロアリで床下に潜ります)
- 高所や閉所での作業も平気だ(ハチ、シロアリなど)
- ちょっとした重い荷物を持って階段を上り下りしてもまあいいかと思う
- 色々な年代の人と接することができる
- 不安を取り除くための情報提供を行う努力と準備を怠らない
- 全ての動植物に興味がある
- 会社の資料を片っ端から読み漁る自信がある
- 一日中害虫を顕微鏡で見続けても飽きない自信がある
- 多少の3Kは覚悟している
- 汗だくも平気だ
- 急な予定変更(現場の変更や時間の延長)が当日に起こってもパニックにならない
- 残業や深夜もたまにはいいと思っている
以上です。
害虫駆除の市販品はたくさんありますが、(作業員の経験も合わさって)やはり市販と業務用は効き目が違います。需要は低いかもしれませんが、必ず一定の需要があります。たとえば学校の給食にクロバネキノコバエが混入していたというニュースが何年か前にありました。
※記事の最後に個別の防除法として網戸を1mmのメッシュに替えることを紹介していますが、クロバネキノコバエはそれでも通り抜けてしまいます。あるところでは真夏でも窓も扉も締め切って給食を作っています。脱帽と感謝です。
クロバネキノコバエ
http://www.ikari.jp/gaicyu/06050d.html
より画像拝借。※所属している会社ではありません。
このようにすぐニュースになってしまうような施設は神経質です。google検索で「学校給食」と打つとすぐに「学校給食法」や「学校給食管理基準」というワードが出てくることからも、うかがい知ることができます。どこもかしこも最新の施設というわけにはいかないので、専門家の意見を反映して、改善していくしかないのです。
そんな中…↓