読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

On bullshit

読書感想文、社会評論、その他を自分勝手に。

思ったこと 感じたことを そのままに

本、読み終えた。樋口弘和『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』

読書

 

新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか (光文社新書)

新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか (光文社新書)

 

 

 

本書目次

第1部 成長を焦る若者、教えられない上司

(上司の成功体験が通用しない時代がやってきた こんなはずではなかった!?―採用ミスの「真相」 一流の人材はどこにいるのか?)


第2部 どうすれば「良い人材」を採れるのか?

(間違いだらけの日本の採用 優秀な人材を見抜く“雑談面接” かまってあげる育成)

 

記事目次

あちらの事情が垣間見える

若者は劣化したわけじゃない

一人の人事の感想として

雑談面接は大賛成

 

あちらの事情が垣間見える

 副題は「失敗しないための採用・面接・育成」とあります。初めに採用のミスマッチや離職率について語り、その原因となる日本の面接のチグハグな面を取り出していきます。そして企業と学生の双方に言及してダメなところをリストアップしています。

人事側の事情も知ることができて良いと思います。

 就活で面接官に恨みつらみがある方は見てみると面白いでしょう。と同時にやっぱりおかしいじゃないか、と思えます。

 

 

若者は劣化したわけじゃない

 団塊世代の特徴とともに、若者の特徴も書かれています。しかし私がまだ若者の側だからでしょうか、若者が基本的に成っておらず、企業側はしっかりサポートするべきだという語りが多かったです。もちろんサポートは必要なのですが、若者のほうが人間的な面で劣っていると思っているような書き方だと個人的に感じました。若者が弱い生き物のような……。

 人は時代ごとに特性が違います。「黙って、見て、覚えろ」と「話せ、やらせろ、マニュアルで教えろ」では相当な違いです。責任やコンプライアンスなんて近年急速に発達したものですから、単に世代のせいとも言えません。

 

 

一人の人事の感想として

 ヒューレットパッカード出身の著者は現在人事コンサルなどを行う会社を経営されているようです。そういう経歴もあってか、日本の就活事情に迎合することはないようです。

 著者は本書で科学的な就活を勧めています。就活は今いる社員も巻き込んでデータ化し、効率よく適う人材を入手していく。と言うものの、その「科学的」なことが書かれているわけではありません。お互い緊張せず、素直に、謙虚になって話し合うべきと言っておいて、肝心の科学的な記述に対する証拠が示されていないのは残念です。

 たとえば「新卒採用は前年採用者の1.3倍の能力にせよ」という主張の科学的根拠は書かれていません。感覚的な数字なのか、あるいは自身の会社の仕事で主張していることですので企業人として話せないのか。いずれにせよ、もう少し深く知りたいところです。

 数字はどうあれ感覚的に理解できるので、しっかりと面接をしようとする人事はこういうことを考えているのだなと思うには良いです。

 

 

雑談面接は大賛成

 自己紹介や自己PRなどは面接官も学生も準備してきています。この部分が「就活は茶番」と言われるものだと思います。私はこの部分はもう筆記試験と同じ価値だと思っています。テキストで勉強して、問いに答えるという図式としては同じということです。

 本当の面接は2次や3次です。そこで著者が勧めるのが雑談面接です。学生時代の功績を聞くのではなく、「普段何をしているのか」という雑談です。これには大賛成です。よくある質問で「学生時代に頑張ったことは」とか「一番の成功、失敗を教えてください」とかを聞くのは無意味です。これが種となって学生の嘘つき武勇伝が始まるんですから。本当はそんなこと必要ないのに。少なくとも質問の仕方が悪い。

 

 私なら緊張をほぐすために、距離があるイスの配置はしません。イスをすぐ横に並べて、面接官を人として見てもらえるように努力すると思います。そして普段の行動を聞くことでその人の素を見ることに徹する。これが就活生の言う「最後のほうの面接では身ぐるみはがされる」だと思います。

 就活における「ドアをノックする回数」「上着を脱ぐ、脱がない」だとかは本当にバカバカしい。○○○○はよくもこれだけ日本の学生を翻弄させたものですね。著者のような方が人事コンサルとして活躍されることで、少しでも就活事情が変わってほしいと願います。