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本、読み終えた。ジャンバッティスタ・バジーレ『ペンタメローネ[五日物語]』

 

ペンタメローネ「五日物語」

ペンタメローネ「五日物語」

 

 

 

本書目次

そもそものはじめの物語

一日目
第1話 鬼の話
第2話 天人花(ミルト)
第3話 ペルオント
第4話 ヴァルディエッロ
第5話 ノミ
第6話 灰かぶり猫
第7話 商人の二人息子
第8話 山羊面
第9話 魔法の牝鹿
第10話 生皮をはがれた老婆
インテルメッツォ〉 るつぼ

二日目
第1話 ペトロシネッラ
第2話 プリンス・ヴェルデプラート
第3話 ヴィオーラ
第4話 ガリューゾ
第5話 蛇
第6話 牝熊
第7話 鳩
第8話 奴隷娘
第9話 南京錠
第10話 隣人
インテルメッツォ〉 染色

三日目
第1話 カンネテッラ
第2話 手なし娘
第3話 顔
第4話 サピア・リッカルダ
第5話 コガネムシとネズミとコオロギ
第6話 ベッルッチア
第7話 コルベヴェット
第8話 びりっかす
第9話 ロゼッラ
第10話 三人の妖精
インテルメッツォ〉 浴場

四日目
第1話 雄鳥の石
第2話 二人兄弟
第3話 動物にされた三人の王様
第4話 七切れのベーコンの皮
第5話 竜
第6話 三つの王冠
第7話 ふたつのケーキ
第8話 七羽の鳩
第9話 カラス
第10話 傲慢の罰
インテルメッツォ〉 鉤

五日目
第1話 ガチョウ
第2話 十二の月
第3話 ピント・スマルト
第4話 金の根
第5話 日と月とターリア
第6話 サピア
第7話 五人の息子
第8話 ニッニッロとネッネッラ
第9話 三つのシトロン
第10話 おしまいの話
インテルメッツォ〉 はじめの話の結末

 

記事目次

●Giambattista Basile

●特徴

1、入れ子構成

2、子どもには読ませられない

3、話が巧妙

 

 Giambattista Basile

 童話と言えば、アンデルセンやグリム兄弟、ペロー、シュペルヴィエルなどがメジャーです。しかし!大人が読んでも楽しめる童話でこれほどのものはないと思っています。Giambattista Basile(1573?~1632)をこの本に出会うまで知りませんでした。グリム兄弟が18~19世紀の人たちなので、それよりも前に昔話を収集したことになります。事実グリム兄弟に大きな影響を与えました。
 グリム兄弟が昔話を編纂していたとき、バジーレが先に同じ話を載せているのを知り、集成に組み入れるのを見送ったというエピソードもあります。では『ペンタメローネ』はどんな感じなのでしょうか。
 

特徴

1、入れ子構成

 童話の中に童話を仕込む入れ子の構成で語られていきます。骨子となる話も入れれば51話を読むことになります。毎回キレイに話が終了するため、1日1話として読むのも良しです。
 

2、子どもには読ませられない

 残酷な描写、遠回しではあるものの性的なシーンなどもあります。しかし大人が読む分にはクスッと笑ってしまう。そんな童話がゴロゴロあります。
 

3、話が巧妙

 童話にありがちな策を弄するシーンの賢さに感心します。そしてそれがまた面白い。
読み応えがある。童話で笑ったのは今のところこれだけです。
 
 
 読み終えたのはこれで2回目ですが、これは読もうと思う機会がなかなか現れない本だと思います。1話自体は短いものの、457ページ全てが童話というのは少しツラいかもしれません。最近読みたいものがないという方は見られては。