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警備員の仕事内容と体験談

 警備員のアルバイトをしました。楽なんて感想がネットにありますが、交通警備の場合は話は別です。

 

 

目次

●私がやった警備員業務は2つ

①工事現場の一般および工事車両誘導

②施設警備(野外)

●大変なこと

●困った体験談

●警備の人付き合い

●できるかも?私が考える警備員適性検査チェックシート

●最後に

 
 車を運転していると工事によって、2車線が部分的に1車線になっていることって、結構多いですよね。
そして手前と奥に警備員が旗や光る棒を持って立っている。
私はこれを小遣い稼ぎのために一時期やっていたことがあります。
(田舎のバイトって選択肢がないから、探すの苦労するんですよ……)
私が入ったときは大学や自衛隊に行く間の小遣い稼ぎとしてやってきた高校生や就活中の学生などが同期でした。
しかし警備員というのは大変です。
みんな愚痴をこぼしていました(中には失踪者も)
そこで体験談を書くことによって、警備員の仕事の実態と必要性を伝えようかなと思っています。
 

●私がやった警備員の業務は2つ。

①工事現場の一般および工事車両の誘導

 上記で書いたような2車線を1車線にするのは片側交互通行と言います(略して片交(かたこう))
工事内容は電柱、道路舗装、地中の水道管、橋梁工事など。
 溝掃除などのような1車線を封鎖しないで済むような場合は、<作業中>とか<工事中>と書かれた看板とともにコーンが置いてあります。
 工事区間が長距離の場合は一般車両の後ろに<工事車両>と貼ってある車がついてくることがあります。
それは反対側の警備員に「これが最後の車ですよ~」と教えるためですので、気にしないでください。
捕まるわけではありません。
 

②施設警備(野外)

 大型ショッピングモールの場合、駐車場に入ると止める場所を警備員によって指示されることがあります。
「いらっしゃいませ~。こちらにバックでお願いしま~す」って。
 大型な駐車場は道順が指示されています。
それを無視してみんながバラバラに走り出してしまうと、思わぬ事故の原因になるため、警備員が配置されています。
それと同時に駐車場を歩く人を止めたり流したりすることもします。
 

●それぞれに大変なことがあります。

 ①の片側交互通行の場合、場所によってかなり警備の難易度が変わります。
 たとえば信号が近くにある場合は早めに一般車両を止めないと、信号が赤になって通行ができなくなります。
そうして立ち往生してしまうと反対車線の一般車両が通れなくなるため、かなりの混乱が生じます。
 あるいは工事区間中に一般車両が頻繁に出入りする道があるような場合は、連絡が滞ると最後に通過する車両が不明瞭になります。
これが事故の元になります。
これで事故を起こしてしまった警備員もいると聞きました。
 あと、寒い。とにかく寒い。
冬の警備員は下に4~5枚くらい服を重ね着して寒さに耐えます。
 ①で一番キツかったのは警備の契約期限が当日であったため、雨と雪とあられと雷という気象でも工事が長引き、家に帰って寝たのは午前1時。
そして午前5時に起きてまた全く違う現場へ、という感じでした。
早朝から車で県外に行くこともあるため、なんだか普通とは違う長時間労働による疲労でした。
 
 ②の施設の駐車場の場合、指示に従う人が大半です。
車内で頭を下げる人も多くおられました。
お礼をする人が多くいるというのは意外な経験でした。
しかしときには高い車だから嫌だということで、やけに離れた場所に止める人などもいます。
そして若いのにベンツやポルシェに乗っている人は高圧的なことが多いです。
そして高確率で横に女性がいます。
毅然とした態度でいましょう。
しかし勝手に行く車は止めないでおきましょう。
危険です。いろいろと。
とにかく対応力が必要な現場です。
 最寄りのガソリンスタンドを聞かれることが最も多いです。
その位置だけは絶対に覚えておきましょう。
 また以下のような突拍子もないことを聞かれる場合があります。
 

●困った体験談

若い女性2人組
「出口ってどこですか~?」
……じゃぁあなたたちはどこから入ってきたんですか?と。
あっちです。
 
偶然ですけど、また若い女性2人組
「奈良に帰りたいんですけど~」
……よくここまで来れましたね。
あっちです。
 

●警備の人付き合い

 警備で大事なのは車両と人の誘導ですが、実際の警備はそれだけではありません。
工事を行っている人の簡単な手伝いをすることがあります。
  • 工事車両がバックで入るときには誘導します。
  • 土砂などを降ろす車両なら降ろしきるまで手で合図します。
  • 道路に泥が散乱したら掃き掃除します。
  • 工事区間が刻一刻と変化するときはコーンや看板などを適宜移動させます。
 こういったことを行うため、警備員はただ立っているだけではありません。
工事されている方とコミュニケーションをしなければなりません。
知らなくても容赦がありません。
怒鳴られる経験がない人にはキツいかもしれません。
 
 一方で警備の方は優しい方が多かったです。
それは他社との合同警備でも感じたことです。
定年退職された方、自営業を営む方、時勢により印刷会社が倒産した方、と様々。
仲良くなっていろいろな業界のことが聞けました。
 
 施設警備においては、駐車場でドアや窓が開けっ放しにしてある場合はそばにいることもあります。
しかし後々のトラブルを起こさないために、一切手をつけません。
雨が降っていても窓を塞ぐような工夫はしません。
気を付けてください。
一般客との会話は必要最小限にしましょう。
 

●できるかも?

私が考える警備員適性検査チェックシート

  • 車の流れをある程度でイメージ把握できる
  • 体内時計が普通程度には正確*1↓
  • 高齢者とコミュニケーションが取れる
  • 接客業の経験がある
  • 寒さに耐えることができる
  • 暑さに耐えることができる
  • そばかすが増えても平気だ
  • 肌焼けしても平気だ
  • 汚い空気でも平気だ*2↓
  • 立ちっぱなしでも平気だ
  • 腰痛を患っていない
  • トイレはなくてもいい*3↓
*1信号が近くにある場合、30~60秒を自然と計れる能力があれば重宝します。
*2工事現場ですからコンクリートの熱気や臭い、砂埃、排気ガスと基本的に汚いです。
*3工事の場所は様々で、県境だととても静かな環境で立ちっぱなしということもあります。
当然トイレはありません。
仮設トイレさえない場合も。
つまり催したら陰でこっそり済ませることになります。
そこに男女の 差別はありません。
 

●最後に

 警備員を経験してからはどんなに馬鹿にされているような職業でも、どんなに批判されているような会社でも、たとえブラック企業でも存続している以上は必要なものなのだろうと思うようになりました。
誰かがやっているからキレイで、誰かが小言を言われているからサービスがあって、という当たり前を言葉ではなく当事者として獲得したのはよかったと思います。
 法律により工事するときは警備員を配置しなければならないことがあります。
だから工期に間に合わせるために人員をかき集めた結果、工事関係者や警備員は県外から来ている場合もあります。
2府県先からということもありました。
もし見かけたら、「楽そうだな」ではなく、「お疲れ様」と思ってあげてください。
 
しかしまぁただただ、腰がつらかったです。