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On bullshit

読書感想文、社会評論、その他を自分勝手に。

思ったこと 感じたことを そのままに

本、読み終えた。竹内靖雄『経済倫理学のすすめ 「感情」から「勘定」へ』

 

経済倫理学のすすめ―「感情」から「勘定」へ (中公新書)

経済倫理学のすすめ―「感情」から「勘定」へ (中公新書)

 

 

 

 経済倫理学というと必ず
①経済学的な人、つまり合理的な人を想定した場合
倫理学的な人、つまり哲学チックな想定をした場合
このどちらかに分かれて内容が語られるように思います。
本書は①寄りです。
経済における問題は、大体が感情論であって、そのような議論は不毛だというもの。
 たとえば一度悪いニュースが流れた政治家がまた当選するのは良くないという主張があったとする。しかしそれは感情論であって、その政治家に政治における成果があればそれでいい。むしろ成果も期待もなく、性格が良いとか徳があるとかだけの人が当選するほうが問題だろう。というように、想定された意見を設定し、それをバサバサと切り捨てていくスタイルが本書です。
 
 あとがきには以下のことが書いてあります。

経済のゲームのルールに関する摩擦は、「公正―不公正」という倫理的レベルの応酬によっては賢明な解決は望めない。問題の性質を正確に理解し、損得勘定のレベルで双方にとって最善の解決を見出すほかないのである。悪者はどちらか、といった感情論の応酬に陥らないことが何よりも重要であろう。損得勘定の学問である経済学は、その姉に当たる倫理学という感情の学問に助け船を出し、倫理問題を経済問題に変換して解決し、倫理問題を消去する役割を果たすべきではないか。これが本書を通じての一見過激にして実は平凡な基本的立場なのである。