On bullshit

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裁量労働制について、on bullshit

裁量労働制
 裁量労働制は今の日本には服毒自殺の薬品でしかない。
残業代なしになればブラックになる企業は増える。
ドイツでは1日10時間以上はたとえ残業でも働かせてはいけないという法律がある。しかも次の就業まで11時間以上空けなくてはならないという追加条文がある。これこそブラック企業是正となる歯止めとなるものだ。
 
 しかし日本にはこういった上限はない。これではブラック企業を増やし、かつ擁護する法案にさえ見える。
裁量労働制は日本にはまだ早い。現在の労働法さえ守られていないのに一体何を期待しているのだろうか。理解に苦しむ。
 
日本国民の人員采配
 視点を変え、なぜ日本はブラック企業が多いという感覚があるのだろうか。
これは日本人経営者には悪い人が多いというわけではもちろんない。私は日本にある「サービス精神」とかいうふざけたものに問題があると睨んでいる。
 サービスとは企業が顧客から利益を上げる前後に長時間を費やし、商品満足度につなげるための企業の任意行動だと思っている。これはさらに時を遡れば職人にそれを見出すことができる。職人は自分が納得できる商品を出すために、多大なる時間をかける。しかもその時間と費用は顧客が支払う金額に上乗せすることはできない。それでも職人は満足だ。
 しかし企業となれば話は別だ。サービスは売上げに直結しない。それでも働かなければならないのが日本の業務だ。つまり、新しいモノを売りだせない、またはそのようなクリエイティブな動きが起こりにくい。収益性に時間をかけない。これが日本の悪しき習慣だと考えている。
 またブラック企業は好景気だろうと不況だろうと従業員から搾取する術を思考し続けているからブラック企業が減らないと貧困はなくならない。これは資本主義が元から孕んでいる特徴だ。日本はこれを止める術を労働市場に持ち込んでいない。
 
クリエイティブな数、性質が足りない日本
 今度は日本の企業が伸びない理由だ。
これも私見だ。まず中抜きや中間搾取をする企業が多すぎる。具体的には人材派遣会社がその最たる例だ。日本だけ人材派遣会社が多すぎる。一般社団法人日本人材派遣協会にある資料によれば、日本の人材派遣会社はこの狭い国土の中に万を余裕で超える人材派遣事業がある。アメリカよりもはるかに多い数だ。以下からPDFで閲覧ができる。

労働者派遣事業 許可・更新事業所 派遣会社の皆さま|一般社団法人日本人材派遣協会

 人材派遣事業は本来労働者が全額得るべき収益を中抜きしている。直接雇用されればこれは解消される。しかし企業は直接雇用を避ける。これに目をつけているのだ。つまり本来働いて生産するべき労働力が人材派遣事業に集まっているのだ。これでは国際競争力なんて述べるまでもなく、負けることが必至だということがわかる。紹介予定派遣も増加する中でよく国際だのどうだの話せたものだ。外資系企業が人気なのは給料面やブランドだけが理由ではない。
 また少ない賃金ばかりで雇っていれば、新しいことをしようと考える人は必然的に減る。強者が強者のままになる。これは世界的な資本主義による格差とは無関係だ。法律である程度是正できることだからだ。都道府県における人材派遣事業の企業数を制限すればいい。日本はそれくらい低レベルな問題にあると思っている。社会や権利義務、法哲学といったことを全く議論しない限り日本は何の根本的な解決をなさないだろう。学識を輸入して満足していては根無し草の馬鹿が増えるだけだ。
 
サービスという言葉の混乱、乱用
 たとえば接客で一律の挙動を求めるのはなぜか。礼の仕方さえ形式張るのは個人的に嫌いだ。形式ばかりになると質がなくなる。形式ばかりになるから話を聞こうとしない。
 次に上でも書いた通り、サービスが様々な企業で行き過ぎている。サービスを履き違えてはならない。
顧客の人間生活を無視した要望がなんだというのか。深夜にまで及んで良いことなのか。果たして深夜に働いてまで製造することに何の意味があるのだろうか。収益のためなのか。人間の存在は自分なりの生の模索だ。それが実存だ。そうでなければ人間ではなくなる。そうまでして働く意味は何なのか。歪んでいる。哲学も思想もない、ただひたすら欲望に従う日本の風土は狂っている。